塾長の独り言 -
優子-4
令和4年8月1日
その後、7~8年の間で関東や大阪の方で何回か約束してあった。
関東で会うときは、用事を作って出てきてたようだった。
国立美術館、皇居、上野公園、浅草寺・・・いろんな所に二人だけの思い出がある。
会話が弾むわけではないが、沈黙がつらいわけでもない。
ゆっくりと、時間が流れるのが心地よい。きっと、優子も同じ気持ちだと仕草で分かる。
「奥さんとも、こんな時間の過ごし方をしてるの?」何も答えなかった。
「主人は、あなたとよく似ているよ。優しいところもね」。
関東で会うと、大阪まで帰る時間を考えると、早めの別れになってしまう。
ただ、大阪で会うには気が引けて、ほとんどが関東で会った。
考えてみれば、20代から付き合い、お互いの身の上にいろんなことが起きた。
お互いの結婚も、子供が生まれたことも、孫が生まれたことも・・・。
そして、50歳を過ぎた頃から、60代半ばまで、昔の青春がよみがえった。
後ろめたい気持ちは勿論あったが、10年近い懐かしい時間だった。
若いころの、思いも話せたし、誤解も解けた。少なくとも表面上かも知れないがお互いの幸せも確認できた。
それからしばらく、お互いの行事の煩雑さから会う機会が持てなくなった。
70を直前にしている今、これまでうれしく、切なく、愛おしい時間に付き合ってくれた優子には、
感謝の気持ちでいっぱいだ。
その後、メールでの連絡もしないし、連絡も来ない。私の方からもしない。
このまま、二人での思いでを大切にして生きていきたいと思う。
永遠の幸せを願って。いい思い出をありがとう。いい齢の重ね方をしていこう。