塾長の独り言

・・・今は、昔・・・




平成22年8月21日


朝に一日分のご飯を炊く。

昼・夜は、その朝の残りを食べる事になるが、だんだんと
ご飯に臭いが出てくる。

田舎の夏は暑かった。

母は、朝の残りのご飯を竹製の籠に入れて、ハエが来ないようにフキンを掛け、
ちょっとでも風通しのいい軒下に吊るした。

それでも、夕方になるとさすがにそのままでは食べれない。

母は、ご飯を水で洗い、さらさらになったご飯にタクアンの漬物をのせ、のどに流し込んだ。
愚痴ひとつ言わなかった。
農家の母は、一番早起きで、一番最後に風呂を綺麗に洗って寝た。

それでも、子供の私たちには優しかった。小さいときの相談は、厳しい父より母にした。
夕ご飯も、あらためて炊いた温かいご飯をよそって食べさせてくれた。

今では、母の愛がどれほど大きなものだったか痛いほどわかる。
そのときは、何の感謝の気持ちもわかず、一人で育ってきたつもりでいたし、
気にいらないと、すぐに母にへらず口をたたいた。

その母は、もういない。
認知症の状態で10年近い病院生活のあと、何の記憶も無く逝ってしまった。

お母さん。お母さんのお陰で、私は今幸せに暮らせています。
お母さん。・・・ありがあとう・・・